すると、龍貴は
困ったような顔になって、言った。
「それは、違うと思う。」
「えっ…?」
「俺も病気の事
誰にも言いたくなかったし、
頑なに心を閉ざしてたけど、
1人で抱え込んでる時が
一番辛かった。
言ったら肩の荷が
降りたっていうか、
楽になった。
俺の場合とは少し
ケース違うかもしれないけど、
言う事で何かが変わると思う。」
「龍貴くん…。」
「大丈夫、言うときは
俺も一緒にいてやるからさ。」
龍貴はそう言うと、
美雨の頭を撫でた。
美雨は何だかホッとした。
(良かった、龍貴くんが
居てくれて…。)と。
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