手術当日。
2人きりになれる
時間があったので、
龍貴は美雨と話していた。
「…龍貴、もしかして
震えてる?」
美雨が訊いた。
「あぁ…緊張してるよ。
やっぱ治るとはいえ、
怖いからな。」
美雨は龍貴の手を
握ると、言った。
「…龍貴なら、
きっと大丈夫。
だって、困難を乗り越えた人のブーケ、
キャッチした私が
側についてるんだもん。
絶対大丈夫。」
「…そうだな。
サンキュ、何か元気出た。」
「元気で帰ってきてね。
帰ってきたら、
ご褒美あげる。」
「何だよ?」
「帰ってきたら教える。
それまで内緒。」
「解ったよ。約束な。」
2人は指切りをした。
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