腕時計
5年の想い
深夜一時。

今でも思い出す。
あなたの横顔、黒い髪、ハンドルを握る少し日焼けした手。

そう、あたしが思い出すのはあなたの後ろ姿ばかり。
その後ろ姿が大好きだったから。

もう5年も経つのに。
あたしは一度だってあなたを忘れたことがなかった。
春の暖かい風が吹くときも冷たい雨が降る夜も

あなたがまた、あたしの名前を呼んでくれる気がして。

あたしはずっと待ち続けていたの。


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