EXIt
「ふざけやがって!」

 歯無が戸度橋を押さえつけたことによって、おじさんは息をふき返したようだ。また、殴るようだ。ゆっくりと一歩、一歩前に迫って来る。

「コノ!」

 自由に動けない戸度橋は足を蹴り上げた。

「ウッ……」

 戸度橋の足の裏がおじさんのお腹に入った。

 おじさんはお腹を手で押さえ、うずくまった。

「ジジイ、どうした?」

 戸度橋はおじさんに向かってあおるが、おじさんは下を向いたまま動こうとはしない。戦意喪失したのだろう。

 殴り合いは終わった。
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