EXIt
 戸度橋は相変わらず、不満らしく、じっと視線を止めたままだった。

 歯無はおじさんも呼んだ。

「今回はどっちが悪いとかは言わない。だからお互い、謝ってスッキリしよう」

 と、歯無が言った。

「すまん……」

 おじさんは軽く頭を下げた。

 戸度橋も軽く頭を下げた。

「これ以上、問題を起こさないように」

 歯無が言ってこの場は終わった。

 あれから、戸度橋は問題を起こしていない。

 まったく理解不能だ。


< 20 / 165 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop