EXIt
 歯無は仕事が終わると、ちょっと立ち寄る感じで行ったのだ。

 戸度橋の家は木造の古びたアパートだった。

 二階しかなく、風呂もないだろう。

 ボロアパートと言う感じがピッタリだ。

 表札が出ていたので、戸度橋の部屋はすぐに見つかった。

 一階のその部屋は異様だった。

 ドアから新聞があふれていた。帰宅していないことを物語っている。

 やはり、戸度橋に何か起こったのだ。

 歯無は一応、ドアを叩いた。

「戸度橋さん、いますか?」

 しばらくしても反応はない。

 歯無は再び、ドアを叩いた。
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