EXIt
 歯無は断ることが出来なかった。必死に頼まれたからだ。

 戸度橋は家に入り、着替えてから手ぶらで出て来た。

 手ぶらなので、一泊か二泊しかしないと歯無は思い、受け入れることにした。

 歯無は戸度橋を自宅に招き入れた。

 戸度橋もだいぶ落ち着いたようだ。表情がにこやかになったからだ。

「あの、今日はすみません」

 戸度橋はペコリと頭を下げた。

「ああ、いいけど、どういうことか説明してくれないか?」

「そうですね……かくまってくれたので……」

 戸度橋は何かをためらっているようだ。
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