EXIt
壁に黒いスプレーで『EXIt』と書いてある。
歯無は『t』の文字だけがなぜ小文字なのかと疑問に思って立ち止まった。もちろん罠があるのではと疑ったからだ。
「止まったな」
歯無は声がする横を見た。
鉄格子の向こうに無精ひげをはやした四十代前半の男がいた。白い半袖と黒い短パンは薄汚れていて、洗濯はもちろん風呂にも入っていないようだ。
「ここはどこです?」
歯無は臭いので、下を向いて話した。
「チテイジン国だよ」
「それは知っている」
「そうか、それじゃあ、自分の場所に戻ってレベル2に行けるように辛抱しなさい」
歯無は『t』の文字だけがなぜ小文字なのかと疑問に思って立ち止まった。もちろん罠があるのではと疑ったからだ。
「止まったな」
歯無は声がする横を見た。
鉄格子の向こうに無精ひげをはやした四十代前半の男がいた。白い半袖と黒い短パンは薄汚れていて、洗濯はもちろん風呂にも入っていないようだ。
「ここはどこです?」
歯無は臭いので、下を向いて話した。
「チテイジン国だよ」
「それは知っている」
「そうか、それじゃあ、自分の場所に戻ってレベル2に行けるように辛抱しなさい」