EXIt
 足腰も痛い。

 階段の角度が急なのだ。緩やかならもう少し楽なはずだ。

 文句を言っても楽にならないので、黙って階段を上った。

 歯無は踊り場に着くたびに、休憩していた。

 水が飲みたい。

 でも何もない。戻ることも出来ないので、また階段を上った。

 目が回る。

 汗で体にまとわりついて気持ちが悪い。

 シャワーでも浴びたい。

 考えても実現しそうにないので、あきらめて、一歩、一歩と階段を上った。


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