EXIt
 やっとのことで、階段は終わった。

「ええっ!」

 歯無はこれで抜け出せると、安堵したので、まだ続きがあることを知って落胆した。

 この場には何もない。あるのは天井が丸く開いているだけだ。

 誰が考えても、抜けるには丸く開いたところが通路とわかる。

 次は階段ではなく、円筒の中をはしごで伝うしかないのだ。

 この円筒も先が長く、光が見えないので、出口がわからない。

 ここをひたすら上るしかないのだ。

 その前に歯無はノドがカラカラで、水分がほしかった。

 希望は叶わない。
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