EXIt
 逃げるのも自由と言いながら、すぐに捕まえる理屈がやはりチテイジンなのか。

 歯無の頭は爆発寸前だった。

 何か悪いことをして、捕まるのなら納得はするが、チテイジンのロボットを二回見ただけで、囚人扱いとは解せない。

 そんなにチテイジンの正体が世間にバレて、パニックになることを政府は重んじているのか。

 どんなに考えてもやはり、助かる方法は浮かばなかった。

 わかったことは理不尽ってことだ。

 歯無はフランスパンと水を持って、悪臭のしない鉄格子に移った。

 同じ繰り返しだ。歯無はそう思った。

 もう、逃げてもしょうがない。

 我慢して、『レベル2』に行くしかないのだ。
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