EXIt
「そうですけど。それはレベル1がひどすぎたから、レベル2がよく見えすぎているんではないでしょうか?」

「レベル1がひどい? そうかもしれんが、チャンスを与えてくれてんだぞ。お主、そこのところを考えろ」

「でも、こんなところに閉じこめられて、幸せ?」

「考え方によって天国にもなるし、地獄にもなるが、やっぱりレベル3に行けば天国だよ。なぜかって、女がいるんだぞ。それを考えると楽しくて楽しくしょうがない」

 歯無はどう考えても、この閉ざされた空間では例え女性がいても、天国と言いがたいので黙った。言い争っても考え方が違う語野字とは永遠にわかり合えないからだ。

「まあ、今日はこの辺で。また今度、話そう」

 語野字はすっと席を立ち、他のテーブルに移って行った。
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