EXIt
 なぜか区別がつかない。まず、Tシャツ姿の男たちは白か黒しかいない。それに髪型も肩まで髪を伸ばし、ヒゲ面か坊主頭でヒゲもすっきり剃ってある二種類しかいないように見えるのだ。

 食事に夢中になっている者がほとんどで、他人と話している人は少ない。食べることが目的のようだ。

 江利牧の実物を見て認識しているわけではないので、すぐには見つからず、やはりここでも『レベル1』と同じように名前を呼ぶしかないのだ。

「江利牧さん、いますか?」

 と、歯無は声を張り上げた。

 ほとんど無視。

 歯無は再度呼びかけた。

 チラッと見る者はいるが、それ以上関わるのを拒むように、目を背けた。
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