EXIt
 いないのかもしれない。

『レベル2』いる人間が、全員食堂に集まっているはずもないのだ。

 歯無はこれ以上叫んでも無駄な気がした。

「おい!」
 歯無はあきらめていたが、誰かが呼んでいる。気のせいか。

「お主だよ。えーと、名前はなんだっけ……」

 歯無を呼んでいたのは聞き覚えのある声だった。

 振り返ると、語野字だった。

 またか。顔を見ただけでウンザリするのだ。

「あっ、何か?」

「何かって? そりゃお主だよ」


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