EXIt
「だから、何ですか!」

 歯無の刺々しい言葉に語野字は無反応だった。

「江利牧くんのことだろう?」

 語野字は涼しい顔で、歯無の顔をのぞきこんだ。

「そ、そうです……」

 歯無もじっと見られては、気持ちの悪さもあって、怒る気が失せたのだ。

「よく、知っとるよ」

「今、どこにいますか?」

「そう、慌てなさんな」

「慌てるなと言われても、大事なことなので、一刻も早く会いたいのです」


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