EXIt
「あれ? 一人で食事?」

 歯無の耳元に聞き覚えのある声が聞こえた。振り向くまでもなく、誰だかすぐにわかった。

「そうです」

 たまたま、歯無の口に食べ物が入っていなかったので、すぐに返答が出来たのだ。

「お主、さみしいのう」

 語野字の登場だ。歯無はウンザリだったので、テンションが下がるのだ。

「寝起きなので、一人で食べるのがいいのです」

「そんなこと言わず……」

 語野字は有無を言う前にすでに、歯無の前にドカッと椅子に座った。

「ですが……」

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