EXIt
「そうか、だから、ここに若い人が少ないのかな……でも、チテイジンのロボットは夜中の二時に出没しているわけだから、基本的に捕まるのはやはり若い人ではないのですか?」

「そうだ。あまり年寄りは見ないな」

「なぜ、捕まったんですか?」

「あのときは仕事もなくて、酒を飲み歩いて、路上で寝たんだ。そして、誰かに踏まれて、起きたらロボットがいたな。酔っていたんで夢かと思ったな。気がついたら、レベル1にいたな。何度も逃げ出したな。今、思えば逃げ出さず、じっとしていれば、今ごろはレベル3に簡単に行けたかと思うと、悔いが残るな」

 語野字は何度も首を振った。よほど逃走したことを後悔している。

 歯無は語野字のことなど、どうでもよかったので、周囲をチラッと見た。

「あっ!」
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