a little memory━恋人編━
「結婚が恐かったんやろ?俺とは結婚したくないんやろ?」


英咲士君は落ち込んだ様な傷付いた様な複雑な心境で言ったんだと思う。



恐いのは確かに恐いけど…それは違う。間違いに気付いた私が正解にしただけ…


「私…まだ結婚とか分かんないよ…。親を捨てるなんて…考えれない…。」



英咲士君と結婚は親を捨てる事になる。


結婚して親を捨てるなんて聞いた事無い。


その日は一晩中泣いて泣いて自分を責めた。



英咲士君を傷付けた自分を英咲士君より親を選んだ自分を責めた。



いつしか私は部屋にこもりがちになり生気が無くなった抜け殻みたいになっていった…。



英咲士君とは一応別れたけど…英咲士君が構ってくれようとするけど、その度避けて話もしなくなった…。


出来るだけ会わない様に顔を合わさない様に…。



完全に英咲士君の記憶から私の存在を消したくて…。


無理だと分かってても…



きちんどさようなら゙をするために…



少しでも良い思い出達に







゙さようなら゙






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