君が、イチバン。
緩く、淡く、強く
◆◆◆
「…しいちゃん?」
瑛ちゃんが私の髪を優しく撫でる。
「何かあったんでしょ?」
私の表情ひとつで、声だけで、的確に見抜く癖のある話し方に、甘えられる場所があるのだと自覚する。一条さんが駄目だったんじゃない。逃げ道は瑛ちゃんじゃなきゃ駄目だった。
恋人でもないくせに
ただの友達でもないくせに
私の居場所をくれる人。
「…鰐淵さんに会った」
短い私の言葉に瑛ちゃんは、
「わにちゃん?」
驚く様子すら見せず、何一つ変わらない仕草で聞き返した。
帰宅途中の車の中で、いつものようにかかってきた電話の相手に、もしかしたら声だけで見抜かれてしまうかもと取るのを躊躇した。それでも、結局甘えたのは
、
『…しいちゃん?今すぐおいで』
やっぱり声だけで見抜かれたから。
瑛ちゃんの部屋について、彼の顔を見た私は安心してしまった。
あの日の様に。
「…しいちゃん?」
瑛ちゃんが私の髪を優しく撫でる。
「何かあったんでしょ?」
私の表情ひとつで、声だけで、的確に見抜く癖のある話し方に、甘えられる場所があるのだと自覚する。一条さんが駄目だったんじゃない。逃げ道は瑛ちゃんじゃなきゃ駄目だった。
恋人でもないくせに
ただの友達でもないくせに
私の居場所をくれる人。
「…鰐淵さんに会った」
短い私の言葉に瑛ちゃんは、
「わにちゃん?」
驚く様子すら見せず、何一つ変わらない仕草で聞き返した。
帰宅途中の車の中で、いつものようにかかってきた電話の相手に、もしかしたら声だけで見抜かれてしまうかもと取るのを躊躇した。それでも、結局甘えたのは
、
『…しいちゃん?今すぐおいで』
やっぱり声だけで見抜かれたから。
瑛ちゃんの部屋について、彼の顔を見た私は安心してしまった。
あの日の様に。