君が、イチバン。
まっすぐ過ぎて困る
◆◆◆
瑛ちゃんの部屋にそのまま泊まって、相変わらず何も聞かない瑛ちゃんの空気に流されて、気付けばすっかり落ち着いていた。
冷静になってくると、取り乱した自分が恥ずかしい。もう終わった事だ。
あれからお菓子は作ってない。作りたいとも思わなかった私の夢への情熱なんてそんなものだったんだろう。
畑違いの職場を転々としたのはこれだと思う何かも、パティシエールに戻りたいと奮い立たせる何かもなかったからだ。
ダメな女、そう思う。
だからといって変われる程柔らかく出来てない。
だけど、時間はゆっくり傷を癒したのか、鰐渕さんと奈津美さんが一緒に並ぶ光景に動揺したけど、痛くて仕方ないとは思わなかった事に安堵した。終わったのが嫌なんじゃない。終わり方が嫌なんだ。辞め方だって、きっと迷惑かけた。全てが綺麗に清算できてない。だから前に進めない。
「しいちゃん、おなかすいた?何か作ろっか」
ぼぅっとしていた私に瑛ちゃんが、頭を撫でて微笑んだ。
瑛ちゃんの部屋にそのまま泊まって、相変わらず何も聞かない瑛ちゃんの空気に流されて、気付けばすっかり落ち着いていた。
冷静になってくると、取り乱した自分が恥ずかしい。もう終わった事だ。
あれからお菓子は作ってない。作りたいとも思わなかった私の夢への情熱なんてそんなものだったんだろう。
畑違いの職場を転々としたのはこれだと思う何かも、パティシエールに戻りたいと奮い立たせる何かもなかったからだ。
ダメな女、そう思う。
だからといって変われる程柔らかく出来てない。
だけど、時間はゆっくり傷を癒したのか、鰐渕さんと奈津美さんが一緒に並ぶ光景に動揺したけど、痛くて仕方ないとは思わなかった事に安堵した。終わったのが嫌なんじゃない。終わり方が嫌なんだ。辞め方だって、きっと迷惑かけた。全てが綺麗に清算できてない。だから前に進めない。
「しいちゃん、おなかすいた?何か作ろっか」
ぼぅっとしていた私に瑛ちゃんが、頭を撫でて微笑んだ。