君が、イチバン。

ーーー

「おまえ…今日空いてるか?」


相変わらず非の打ち所のない美少年は無愛想に私に聞く。

「なんで?」

今はお客さんも引けてしまって、誰もいない客席をヘルプで入った四宮君と掃除しながら唐突な質問に顔を上げる。


「ちょっと付き合え」


四宮君はまるで断るなんて思ってもない口調。さすが、俺様美少年だ。

「四宮君。私は命の危険を感じていますよ」

「は?」

あなたのファンに刺されるんだよ!

「腹減ったんだよ、飯食いにいくぞ」

「この時間から食べたら太るでしょうが」

最近、肉がついてきたのは見ない事にしている。

「断るのか?嫌なわけ?」


透明な瞳は、不快そうにしている。別にファンがどうとかじゃなくて、四宮君に曖昧な態度を取る事がいけないんだと分かってる。だけど、加減が難しい。

「よっしゃ、分かりました」

しっかり、しなきゃな。







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