君が、イチバン。
「…今日交代です」
沖君は中々戻って来なくて代わりにフロントにやってきたのは四宮君だった。
四宮君は確かゲームセンター担当。
「あ、よろしくお願いします」
私も軽く会釈する。
すぐにフロントの内線が鳴り響いて
「若ちゃん?なんか機械の調子悪いみたいだから、今日交代するんでよろしく!」
という勢いのいい沖君の声が耳元で聞こえた。沖君は機械全般に強いらしい。エラーが出たらよく分からない英語の画面を流れる様に操作していたのを見たことがある。
それはいいんだけど、四宮君と二人で回せるのかな。そもそも意思疎通ができるかどうか。
部署が違うスタッフとは顔を合わせない事も多い。特に階が違えば尚更。
四宮君目線が冷めてるんだよね、彫刻みたいな顔立ちだし、一層人形めいてるというか、笑うのかなこの子。それは見てみたいけど、無理でしょうな。
鬱々した私を察してか、特に理由はないのか、四宮君は私を一人フロントに残して裏に入って行った。