君が、イチバン。
分かってる、鰐渕さんと四宮君は違う。言葉が乱暴な所や、ストレートな感情の示し方が、似ていても違う。無愛想で、誤解されやすい所もそっくりだけど。
「…んで」
「え?」
「なんで泣きそうな顔すんだよ」
四宮君が私の目のふちに触れた。
「し、四宮君」
唇と唇が触れそうな近い距離に動揺する。
「ふ、なんなのあんた。あんなキス出来るくせに、こんな時は恥ずかしいって」
変だろ、と笑う四宮君に顔が熱くなる。なにがやられたらやり返すだ、あの時の自分を背負い投げて宇宙へ飛ばしたい。
「可愛いーな」
四宮君が笑う。もう、さっきからずっと、笑顔の出血大サービスだ。
「答えはまだいらない。振られる気はないから」
四宮君が不敵に笑った。