君が、イチバン。
四宮君の告白に、なんで私なんだろと思う。前にも思ったけど、今度ははっきり思いを伝えられたのだ。
「四宮君、私さ、恋愛資格捨てたんだよね」
「は?なんだそれ」
「だから、恋とかしないまま緩く生きていこうと思って」
なんで四宮君にこんな事話すのか、答えは今いらないと言われたのに、私は何かに急かされるように答えを出そうとしている。
「なにいってんだ?ふざけんなよ」
「ふざけてないよ」
ふざけて、おどけても離してくんないじゃんか、その嘘のない目を。
「じゃ本気で言ってんの?筋金入りの馬鹿だな。資格なんていらねーよ。それでもグダグダ考えるなら俺がやるよ。その資格」
指先でおでこを弾かれる。地味に痛い。
「…何ぼーっとしてんだ?資格パスするから受け取れ」
「え、いいよ」
「俺がよくねーよ。ほら」
四宮君は、私の腕を引いて右頬に軽くキスをする。
「口でも良かったんだけど?」
ああ、かなわないな。
四宮君は真っ直ぐだ。
「でも、残念ながら更に鍵がかかったままなんで」
「じゃあその鍵は、いつか俺があけてやる」
私の手を握る腕に力が篭る。なんで、女の子に間違えたりしたんだろう、四宮君はこんなに、男、だ。