君が、イチバン。

そうですか、やめる気はありませんか。良いよ。やってやろーじゃん。
プチと頭のどこかで何かが切れる音がした。
戦闘態勢に入った私を遮ったのは、冷たい、だけどいつもより棘のある声。


「ーーー何してんだよ!」



その声が聞こえなかったら、私は確実に戦闘に入っていただろう。今だって入る気まんまんだ。


「あっ」

彼女達の誰かがその声の主。四宮君を見て、やばい、と焦った声を出す。

「ユキ!なんで!」

「なんでもないよ!お話してただけだよ!」

「この女、私達の事バカにするんだよ!」

ゆかりという子が呆然と声を出したのを皮切りに女子達みんなが私を指差して喚きだす。いい根性だ。
けれど、



「ふざけんなっ!」



圧のある、竦み上がってしまいそうな怒気を孕んだ声。


「ユ、ユキ、違うってば、」

「は?何が?つーか喋んなよブタ。言い訳すんな、この状況みて誰がおまえら信じんだよ?状況みねーでも信じねーのに」

四宮君はイライラしたような、それでもぶつけられたら消え去りそうな視線と声で、睨んでいる。




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