君が、イチバン。

「メリークリスマス」

携帯の向こう側から聞こえる語尾にハートが見える緩い口調。

「瑛ちゃん?」

「なに?」

何、じゃないし。それ私のセリフだとか思いながら、「メリークリスマス」と返す。

「今、しいちゃんどこにいる?」

「家だよ」

「ひとり?」

「ひとりですよー。今からコタツで寝ますよー」

「オッケー。じゃあ後五分で着くから」

「んっ?」

どゆこと、と聞く前に電話は切れる。酔ってるのかな?クリスマスイブとか確実に仕事でしょ、あの人。五分で着く?車なの?
わけがわからない、とぼーっと考える。おっといけない、口が開いたままだ。






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