君が、イチバン。
流されるまま瑛ちゃんの車に乗り込んで、暖房のきいた車内にホッとする。即席雪だるまの私はその格好のまま、まさかこのまま連行されるとは思わなかったとか、これなんのドッキリとか慌ただしく考えながら瑛ちゃんを細い目で見る。
「どこ行くの?」
「ないしょ」
ふふと笑う瑛ちゃんの機嫌はさっきより良くなっていて、
「少し急ぐね?安全運転で行ったら間に合わないかも」
どこに向かうかも言わないまま、瑛ちゃんの車はどんどん進んでいった。