君が、イチバン。
「しいちゃんに見せたかったから」
瑛ちゃんが微笑む。
「ありがとう、すごい。こんなの、予想してなかった」
素直に出た言葉は絡む視線に飲み込まれそうなって。
だけど、触れない瑛ちゃんがいつかみた眩しそうな目で私をみつめる。
どくん、と胸が動いた音が聞こえた。
電飾に照らされた綺麗な顔立ちが私に近付いて、瑛ちゃんが労わるように優しく私のガーゼが貼ったままの頬にキスを落とした。
なんで、
胸の緊張が止まらなくて、意味が分からない。さっきまで一緒に大声で歌って色気もなにもなかったのに。
大体、瑛ちゃんに触れられる事なんて今まで何度でもあったし、キスなんて数え切れないくらいした。
もう、なに、これ。
大事に包む様に抱き締められて、
「寒いでしょ」
と言ういつも通りの瑛ちゃんに、それでも胸の鼓動はおさまらなかった。