君が、イチバン。
「瑛ちゃん、せめて今度から前もって言ってよ、私ほんと場違いな格好なんだけど」
やっと、現実に戻って来て、胸が落ち着く。クリスマスマジックだったんだ、きっと。
「驚かせたかったから」
クスクス笑う瑛ちゃん。まーいいけどさぁ、嬉しいと思ってるし。
「クリスマスシーズンはずっとイルミネーションされてるの?すごい綺麗なのに見物客とかいないんだね」
もう煌めかないツリーが名残惜しくて、もう一度見たいな、と思う。
「うん。毎年イヴからクリスマスに差し掛かる12時5分前から1時までだから知ってる人は殆どいないだろうね。個人が趣味でやってるから」
「よく知ってたね?」
感心した私を瑛ちゃんは少し悪戯っ子みたいな瞳で見る。
「僕の趣味だからね?」
え?
驚いた私を瑛ちゃんがイタズラが成功した子供のように笑った。