君が、イチバン。

「できた!」

仕上がったケーキに満足気に息をつく。仕上げのデコレーションは定番だけど、ピンクとホワイト、それにチョコの薔薇を敷き詰める。金粉を散らせばゴージャス感がアップだ。

「すごいですね」

一条さんは、感心したように息を吐く。褒めてるのか、もっと褒めてくれ!私頑張った!
嬉しくて二カッと笑えば、一条さんの指先が私の頬にスイッと触れた。
それからその指先を舌で舐めとる。

「…甘いですね」

ぞくりとする位の色気にあてられてくらりとした。
頬にチョコレートでもついていたんだろう。だけど、言ってくれたら自分で拭くからね!その色気は凶器だから!


「早く味見させていただきたい」


私はその色気を早く仕舞っていただきたい!



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