君が、イチバン。

「怒って、ない」

「じゃあなに?」

なに、って言われてもどう言ったら良いか分からない。

「なんでも聞くから話せよ」

どかっと、コンクリートの上に座りこんで煙草に火をつける。白い煙が上へ上へ登ってそれをぼんやり眺めながら、四宮君ならどうするんだろう、と思った。

「あのさ、もし」

「もし?」

「四宮君が野良猫だとして、すっごい自分を甘やかす人間がいて、ある日その人間の事を何も知らないな、知りたいなーと思ったけど、人間にはちゃんとしたペットがいたらどうする?」

「おまえ、ガキじゃねーんだから」

「いやそうなんだけど。」

例え話がガキっぽかったかな?でも簡単な例え話が思い浮かばないというか。


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