君が、イチバン。
支配人の向坂さんは本社も任されてるからこっちには一週間に一度くらいしか顔を出さない。
おかげで副支配人の一条さんがほとんど任される訳で多忙らしい。
一条さんは29歳だから向坂さんより年上。仕事も出来るし向坂さんも安心して任せてるんだろう。
タイムカードを押しに事務所に入るとまだ残ってパソコンの前に座る一条さんを眺めた。
「お疲れ様でした」
一条さんは私の声にゆっくりと顔を上げると「お疲れ様」と微笑む。
本当に感じよく笑う人。
「あ、そうそう、この間言ってた歓迎会。今度の月曜日はどうですか?」
確かシフトでは私は休みだったと思う。特に予定もないし私は素直に了解した。