君が、イチバン。
「な、なに?」
「いくぞ」
え、どこに。
「瑛太さんとこ。別に今話せとは言わねーから付き合ってやるよ。店、まだやってるだろ」
「ええ⁈」
「何、阿保ヅラしてんの?早く来い」
行動力の塊みたいな四宮君に、なんの準備もしてない私は引きずられるようにLaiを出て、何故かメットを被せられ、バイクの後ろに乗せられ、ものすごく冷たい風を体に受けながら、夜の風になった。
…もう一度言おう。夜の風になったのだ。
「椎那、…おまえすごい鼻水」
瑛ちゃんの勤めるバー近くの空き地にバイクを停めて、こちらを振り返れば、女として終わってるぞ、とドン引きした目で見る四宮君。ふざけるな。