君が、イチバン。


「なんだよ、なんかくれんの?」


四宮君は不機嫌だ。だけど、なんかやっぱりずるい子だと思う。誕生日なんて聞いてないぞ。
私はゴソゴソと鞄を漁った。勿論、めぼしいものはなにもない。

「不意打ちすぎるんだけど。今度でいい?」

金目のものはやれないがな!

「…いーよ。欲しいもんは目の前にあるから」

「……」

「……」


すごい殺し文句、さらりと言うあたり、ほんと女殺しだ。恥ずかしくて顔が熱くなる。


「しのみやくん、」

「なにもいうな、馬鹿女」


四宮君も、赤い。私らなにしてんだ。


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