君が、イチバン。

「あー四宮君、店でのふしだらな行為禁止だから。この子限定でお持ち帰りも禁止、オケー?」

抱き締められる感覚を体が馴染んでいてその声が怒っている事に気付いて、嬉しいと思う私は馬鹿だ。

「…なんだよ、邪魔しないでもらえますか。自分だって隣の人抱き締めてたでしょ」

「抱き締めた?四宮君は目が悪いのかな?抱き締める、ってこうするんだよ」


瑛ちゃんが私をギュと包む。何この状況。

「邪魔、するつもりはなかったんだけど。無理。すごくムカつく」


瑛ちゃん、何、いって、


駄目だ。頭が回らない。瑛ちゃんの顔は見えない。ただものすごく冷たい空気で、四宮君が呆気に取られている。



「じゃあ、このまま貰っていくね?四宮君お疲れ様」



私はただ瑛ちゃんに引きずられて店を出た。



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