君が、イチバン。
「信じられない?」
瑛ちゃんの瞳が不安気に揺れる。
信じ、られない?瑛ちゃんを?私が?ば、か。
「信じられない訳ない。信じる信じないとかそんな次元じゃないし。瑛ちゃん、あなた私にとってどれだけ割合占めてると思ってんの」
瑛ちゃんが、そういうならそういう事。疑う余地ないし、ああ、もう、
「多分瑛ちゃんからだったら怪しい壺も買っちゃうよ。こんな駄目にしたのは瑛ちゃんあなたなんだけど」
「…しいちゃん、壺なんか売らないよ」
「分かってるよ、ばか」
「駄目にしてごめんね」
「うん、責任とってよ」
「勿論」
瑛ちゃんの声が揺れる。
「しいちゃん、俺の事、好き?」
瑛ちゃん、自分の事、俺って呼ぶんだ。とかもうそうじゃなくて。
瑛ちゃんの瞳に映った自分が恥ずかしくて、顔を見ないでコクンと頷く。
「…駄目だよ、言って?」
あああああああ、なに、その凶器みたいな色気。顔が熱くなる。心臓がバクバク煩い。
瑛ちゃんが、私の目元にキスを落とす。ゆっくり、大事なものに触れるように髪を撫でて。
だけど、その瞳が、私を急かすから、
「すき」
瑛ちゃんの手が止まる。
「すき、」
それから、ギュッと抱きしめられて、一番大切な人の、一番安心する胸の中で、
誰よりも、イチバン、
それは、息をする様に自然に、
なんで今気付いたんだろうと、馬鹿らしくなるほど。
瑛ちゃんが好きだーーーーー