君が、イチバン。

◆◆◆

勿論、一条さんにはお金を返した。そしてまた笑われた。もういいよ、笑っておくれ。


平日なのに忙しい。

カラオケから沖君が毎度の如くヘルプに借りだされたから岡本さんと二人、特にする事もなく、会話もなく、ぼやっとしている。


3人の若い女の子達が自動ドア越しにみえて、視線をうつした。今時の化粧にファッション、香水はつけすぎだと思うよ!

「パーティールーム空いてる?」

グループのリーダー格を伺わせる今風のメイクをバッチリ決めた女の子が声をかける。
若い子特有の慣れ慣れしい口調。沖君とかだったら「あいてるあいてるー」とか軽く流すんだろう。

「何名様ですか?」

「んっと、何人だっけ?」

岡本さんが義務的に対応をする間に女の子達は鏡を持って身だしなみのチェックを始めていた。


「六人?それより今日ユキ来るんでしょ?珍しくない?」

「マジ?」

「あゆみ、すごいじゃん!」

「まあねー、彼氏だし?」


女の子達の会話はヒートアップしてきて受付が中々進まない。


やっと部屋に案内する頃には何だかそのテンションの高さに呆気に取られたままだった。

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