君が、イチバン。
幕間
幕間
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噛み付くように触れた唇、確実に驚く彼女に四宮はそれでもその瞳に自分が映っている事に満足している事に気付いて、思わず舌打ちする。
動揺を悟られたくなくて、呆然とする椎名をそこに残して四宮は逃げるように店を出た。
…意味わかんね。
その感情の意味が掴めなくて益々苛立つ。
勝手に店を出た四宮の携帯にあゆみから着信が数件とメール。
中身も見ずポケットにしまうと駐車場に置かれた自分のバイクにエンジンをかけた。
もう季節は秋に差し掛かる。
夜風が肌寒い。頭を冷ますのには丁度いいかもしれない。
四宮は店を振り返らず、そのまま夜の道に出た。