君が、イチバン。
「あ、四宮君結局来たんじゃん!」
第一声はゆかりの声。指を指してケラケラ笑う様子で、既に出来上がっている酒の場の雰囲気にまた溜め息をつく。
「うん。連れてきちゃった」
向坂は益々不機嫌になる四宮を完璧に面白がっていた。
そのまま入口の傍に座る冴草の横に当たり前の様に座る向坂。デキているという噂は案外本当かもしれないと四宮は思ったが今はどうでもいい。
嫌でも姿を探してしまっているのだ。
四宮ねた目線の先、椎那は一条と長沼に挟まれていて、更にその前には秋吉が座っていた。
…最悪だ。
秋吉さんは多分、一番タチが悪い。
一条さんは酒に強いから全く酔ってない。だけど、いつもゆかりさんが傍で一条さんを独り占めするのに今日に限って、何故か離れた席。
四宮は胸がザワザワするのを感じた。
苛々するーーーその理由を自覚し始めていたから。