君が、イチバン。

ハイグレードな方達

◆◆◆

どんなに気分が悪くても時間は過ぎて行く。
重い身体は朝方よりそれでもだいぶましで、熱いシャワーを浴びると栄養ドリンクを身体に流し込んだ。
瑛ちゃんがご飯を作ってくれていて遅い朝食を食べながら昨日の記憶を必死に辿る。

くそう、思い出せない。ピンクの酒の悪夢だ。

瑛ちゃんは全く教えてくれないし、この際今日は仕事なんて休んでやろうかと思う。


「それ食べたら、送ってくからねー?支度しなきゃ駄目だよ?」


瑛ちゃんはまるで私の考えを察したかのように笑顔で釘をさした。


少し膨れる。じゃ食べなきゃいーでしょ!テーブルひっくり返してやる!

ーーー目線には、二日酔いの胃袋さえも掻き立てる良い匂いの味噌汁。

……この子達に何の罪もないのだ。

有難く頂こう。



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