君が、イチバン。

「よく分からないけど、頑張れ青少年」

何があったかは聞かないのが大人だ。そう私、大人。なんとなく聞かない方が良いなーと逃げた訳では決してない。

「おまえ、ほんとムカつく。もっとかける言葉あるだろ」

「申し訳ないとしか」

「…うるせー」


四宮君はガシガシと頭を掻くと、私に向きなおった。だから、一応その綺麗な顔をムニと掴んでおく。

「よく分かんないけど、君さたまには笑ってよ」

「…俺は激しく自己嫌悪してんだよ」

「そっか、また大人の階段登ったね。君はまだシンデレラだから大丈夫だよ」

「なんの話だ」

幸せは誰かがきっと運んでくれると信じてる話だよ。

「…なんかおまえと話してたら馬鹿らしくなってくる」


四宮君は、ため息をついて、だけど少し笑った。






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