君が、イチバン。
「若ちゃんが入って結構経つよねー、早いなあ」
ゆかりさんは開店した時から働いていて今年で8年目。
「前はもっと従業員の人数も多かったんだけどね。問題ばかりだし、不景気だし。初めは全然流行んなくてさ?支配人が向坂さんになって、副支配人に清君連れてきてから持ち直したんだよ?」
「初めからいたんじゃないんですか?」
向坂さんは御曹司だし、初めから任されていたのかと思ってた。
「向坂さんは五年前まで海外にいたから。清君はその時の知り合い。あんなハイレベルなのが二人もいるとやっぱ迫力あるよね!」
一条さん、謎すぎるもんね。どんな傾いた欠陥住宅も真っ直ぐに出来そう。
本社ビルは街中にあって、他にスーパーとレストラン。更にはパチンコ店など、娯楽施設などを数多く経営していて、一条さんは本社でも全体の経理を任されていて、とにかく有能だから一目置かれてるとか。
ゆかりさんが時々うっとりしながら一条さんを語る。うっかり洗脳されそうだから右から左に流しておいた。