君が、イチバン。
まだ活動的な夜道を一条さんと肩を並べて歩く。決定的に足の長さが違うのに、ペースが気にならないのは歩幅を合わせてくれているからだろう。さり気なく道路側を歩いてくれるのも自然過ぎて、これが通常装備ならなんてスペックの高い人だと思う。
見上げると「寒くないですか?」と気遣われた。
焼肉屋での熱気は夜風でクールダウンして、今丁度いい。
「いえ大丈夫です」
そういえば、一条さんってスーツに焼肉のニオイとか気にならないのかな。大体一条さんと焼肉が似合わないよね。ダイヤモンドを銭湯に浮かべたみたい。
勿論、一条さんがダイヤモンドだ。
気取らない、そんな所も好かれるんだろうな。
「コンビニに寄りませんか?新刊が出てるかもしれませんよ」
…意地悪だけどね!