君が、イチバン。

からかうように笑う一条さん。

「一条さん、私の部屋にあの系統の本ズラリと並んでると思ってるでしょ」

「並んでるんですか?」

「並んでません」

「名言集なんかは持ってそうですね」


持ってるよ!お昼の顔のあの人の名言集持ってるよ!なんで知ってるんだ!眉を寄せた私に一条さんが笑う。

「ふ、冗談ですよ、コーヒー奢ります。体を冷やすのは良くない」

これだもんね。なんだかんだ優しいんだよ、この人。ほんと掴めない。


すぐに見えてきたコンビニは、この間一条さんと偶然出会ったコンビニ。職場のすぐ近くなのだ。一条さんのすぐ後ろを歩いて入る。


だけどすぐに足を止めたのは、予想外の人物が目に入ったから。


正確には『足が動かなかった』。











< 99 / 244 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop