君が、イチバン。
からかうように笑う一条さん。
「一条さん、私の部屋にあの系統の本ズラリと並んでると思ってるでしょ」
「並んでるんですか?」
「並んでません」
「名言集なんかは持ってそうですね」
持ってるよ!お昼の顔のあの人の名言集持ってるよ!なんで知ってるんだ!眉を寄せた私に一条さんが笑う。
「ふ、冗談ですよ、コーヒー奢ります。体を冷やすのは良くない」
これだもんね。なんだかんだ優しいんだよ、この人。ほんと掴めない。
すぐに見えてきたコンビニは、この間一条さんと偶然出会ったコンビニ。職場のすぐ近くなのだ。一条さんのすぐ後ろを歩いて入る。
だけどすぐに足を止めたのは、予想外の人物が目に入ったから。
正確には『足が動かなかった』。