私の兄は、アイドルです。
★stage.1
「ねぇ、そこどいてくれる?座りたいんだけど。」
私はソファーに寝ころんでるでっかい図体を、冷ややかに見下ろしながら言った。
「はぁ?俺様はなぁ、たった今仕事から帰ってきたばっかなんだよ。
ちったぁ座らせろ、クソガキが」
相変わらず……家では口悪すぎ
「チッ………ジジィが」
私は舌打ちしながら、聞こえないくらい小さな声で言ってやった
……けど
「んだと?
胸ばっかりデカくなったクソチビが!」
「やだぁっ!
お兄ちゃん最低!変態!気持ち悪っ!」
私は、目の前の兄の腹を思いっ切り蹴ってやった。
だって……マジでキモいし……
だけど、黙って蹴られるだけの男じゃない。
「あぁぁうぜぇなホントに!!
お前なぁ、俺はさっきまで全国ツアーのリハーサルだったんだよ!
少しは休ませろっ、ボケ」
若干キレながらそう言い、私のほっぺたを思いっ切り引っ張ったクソ兄貴。
……しかも両側から。
「いひゃいいひゃい、止めてよ!」
あーもー!
ガキかよ!
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