私の兄は、アイドルです。
─────
「起立、礼!
じゃあさようなら!」
号令の声が教室に響き、
今日の授業(っていうかHRだけの半日授業だけど)が終わった。
──久しぶりの学校は、熱のせいでイッパイイッパイだった。
ボーっとするし、ずっと悪寒はするし。
こんなヨロヨロ、クラスで私だけだよ……
けど、空元気でなんとか耐え抜いた私。
無事課題も提出出来たし、席替えも窓側の良い席になったし!
澪達とも写真交換出来たし、今日の目的は達成した。
でも……
「寒……」
熱が下がってないからか、ずっと悪寒が止まらなくて震える。
しかも、熱は下がってるどころか上がってる気がするし。
すると
「音遠、駅まで一緒に帰ろっ♪」
澪と美夜と沙那がそう言って側に来たので
「うん!」
私は、最後の空元気で返事した。
あとは……帰るだけだし。
家帰ったら速攻寝よう……。
荷物を持って、ワイワイと話しながら靴箱まで行く。
澪達には悪いけど……
話の内容が、さっぱり頭に入ってこない。