私の兄は、アイドルです。
「え?お前がウチに友達連れてきたのってさ、久しぶりだろ?
信じられるから、俺のいるこの家に連れてきたんだろ?
それにあの子、友達想いのイィ子だし。
澪になら、音遠の事任せられるかなーってさ、思って」
……私が連れてきたんじゃないよ……っ!
勝手に住所調べて来たんじゃん!
澪が……
“信じられる”って!?
“友達想い”だって……!?
任せられる、って何よ……っ!
――にこやかに笑ってるお兄ちゃんは、
私が中学の時
どんなに辛い思いで過ごしてたかなんて知らない。
だって、言ってないから。
……お兄ちゃんは、
ただ仕事を頑張ってるだけだもんね……
何も、悪くないもん。
けどね?
今回は……
澪の事だけは。
お兄ちゃんへの想いもあいまってか、
私の気持ちが爆発した。
「……っ、この、バカ兄っ!」
「――んだよ、イキナリウルセーな。
誰がバカだっつーんだよ」
突然叫んだ私の声がウルサかったのか、
耳を軽く押さえながら顔をしかめたお兄ちゃん。
爆発した私の気持ちは、
もう止まらない。