私の兄は、アイドルです。
――ついに、言ってしまった。
「……音遠……?」
目の前のお兄ちゃんの顔、
物凄くビックリしてる。
そりゃそうだろうな、
だって私、
“妹”だもん。
けど、もう後戻りは出来ない。
「ねぇ、お兄ちゃん……
私のこの気持ち、汚いよね?
お兄ちゃんなのに、
一緒にいてドキドキするの……
お兄ちゃんなのに、
嫉妬したりヤキモチ妬いたりしちゃうの…………」
ポロポロポロポロ、
うっとおしいくらいに
涙が零れ落ちる。
「ねぇ、こんな私……
おかしいよね?
気持ち悪いよね?
……っ、私……いつ狂っちゃったのかな……?」
お兄ちゃん……
気持ち悪がらない?
こんな妹で
ごめんね……
私がそう言った瞬間に
「っお前も……相当のバカだ……っ」
小さな声が聞こえてきたと思ったら、
もう次の瞬間には
――お兄ちゃんに、
キツくキツく。
痛いくらいにキツく
抱き締められていた。
―――――
――――