私の兄は、アイドルです。
☆stage.14
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『バカ兄なんて、
大っ嫌いなんだからね!』
“大嫌い”。
その言葉を聞く度に、
俺の心は
ヒドく、安心した。
――“大嫌い”という言葉は、
俺にとったら精神安定剤のようなモンだったんだ。
その言葉を聞くだけで、
あぁ、音遠には幸せになってほしい
心からそう……
思えるんだ。
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震える肩、
ポロポロと止まらない涙。
小さな体で精一杯俺に気持ちをぶつける……音遠を見て。
いてもたってもいられなくなった俺は……
……その壊れそうな程
細く華奢な体を、
キツくキツく、
抱き締めた。
俺の顎辺りに触れる、
サラサラの音遠の髪の毛。
そしてそこからふんわりと香る、
俺と同じシャンプーの香りに……
今まで我慢してたモノ全てが、
どうでもよくなりそうだった。
なぁ、音遠。
お前はあの『約束』……
思い出してしまったのか……?
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