私の兄は、アイドルです。
★stage.15
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ドキンドキンと煩い心臓は、
きっと当分静まらない。
その広い胸、
スラッとしてるのに程良く筋肉のついてる腕と体。
微かに香る、香水の香り。
全部が全部、
私をドキドキさせるの。
「お前が狂ってるっつーんなら……
俺は、その何百倍も狂ってるよ」
――お兄ちゃんの
その低くて甘い声を聞くだけで、
私は狂ってしまいそうになる
「音遠、……好きだ。
ずっとずっと、大好きだった。」
――ねぇ、お兄ちゃん?
「俺と一緒に……堕ちるか?」
――この時ね?
私……
お兄ちゃんが、
泣いてるように見えたんだ。
錯覚かもしれない。
幻想かもしれない。
けど、
何故か泣いてるように見えたの。
それにね?
この時この手を突き放したら……
きっともう二度と、
お兄ちゃんは私の瞳を見てくれないような……
そんな気がしたの。
――堕ちるのは、怖いよ?
怖いに決まってる。
“近親相姦”なんて……
口にするのも、怖いから。
けど……
けどね?